先日、京都大学のグループから、

"活性酸素の精子幹細胞に対する増殖促進作用を解明"
「活性酸素は精子を増殖させる」
という発表がありました。

発表によると、「活性酸素の低下は試験管内で培養された精子幹細胞の増殖を抑制するのみならず、適度な量の過酸化水素の添加は幹細胞の増殖を促進する作用をもち、過酸化酸素で長期間培養された幹細胞からは正常な産子を得ることができた。」というものです。

活性酸素は、本来、体内に細菌やウイルスのような異物が入り込んだとき、これらを処理するために免疫細胞から放出され、いわばカラダを守るための武器の働きも持ち合わせています。しかし、過剰なストレスは体内で過剰な活性酸素を作り出し、正常な細胞や遺伝子を傷つけ、精子や卵子の質の低下に結びつくと言われています。また、過剰な活性酸素は細胞の老化にも関わるため、AMH(抗ミューラー管ホルモン)などの数値の減退、いわゆる卵巣の老化につながり、成熟した卵子を作り出せない原因にもなってきます。

活性酸素を増やそうと思わないでください

今回の発表では

  • 少ない活性酸素・・・精子数は少ない
  • 一定量まで・・・精子数は増えた
  • 過剰な活性酸素・・・精子数は減少

このような結果が得られています。

現代社会はストレス社会と言われます。これは感情面だけの問題ではなく、生活習慣、環境、食生活の面でもとても関係いため、大多数の方が過剰な活性酸素を抱えて生活していると言っても良いでしょう。

漢方・中医学でも体にとって明らかに悪いものは、とらない方が良いですが、いくら体に良いものでも摂りすぎてはいけません。これは食べ物だけに限らず、感情の面でも同じ事が言えます。
<h3> 気持ちや感情「喜・怒・憂・思・悲・恐・驚」</h3>
漢方・中医学ではこれら7つの感情を七情と呼び、気持ちや感情はそれぞれ五臓の働き(気)に影響を与えているとされています。
気持ちや感情と臓器の結びつき

  • 肝・・・怒(過剰な怒りは気を上昇させる)気を失ったり、狂乱など
  • 心・・・喜(過剰な喜びは気が緩む)頭痛・目が充血・倒れたり、意識不明など
  • 脾・・・思(過剰に考え過ぎると気が停滞し詰まる)食欲低下・腹部膨満など
  • 肺・・・悲・憂(過剰な悲しみや憂いは気が消える)意気消沈・呼吸が苦しい
  • 腎・・・驚・恐(過剰な驚きや恐れは気が下る・乱れる)失禁・動転してどうしてよいか分からなくなる

このように、度がすぎると五臓にさまざまな影響が出てきます。

しかし、怒りや悲しみといったあまり好ましくない感情も、カラダの働きを円滑に巡らせるためには必要な事です。

人間は感情や気持ちを脳で感じています。そして、脳(脳下垂体)は各臓器にさまざまな命令を出し、内分泌(ホルモン系)などをコントロールしています。

適度なストレスは人間にとっては必要です。不満や不安、悔しさがなければ努力はしませんし、痛みや痒み、暑さ寒さを感じなければ身体を守る事もできません。ストレスがかかると、背景ではカラダの中でさまざまな物質を生産し、それに立ち向かうための準備をします。ところが、ストレスが全くない生活を送っていると、カラダはそれに慣れてしまい、使われなくなったストレスに対抗する機能を衰退させてしまいます。

悪いと言われるものでも、カラダにとって必ず必要な要素を持ち合わせている事はよくあります。あくまでもバランスが大切なのです。

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