妊娠しやすい体づくり

元気な卵子や精子を育むためには食生活が基本

私たちのカラダはすべて食べ物から作られます。食べ物には含まれる栄養素とその働きがあります。そのため、日々の食生活は体の色々な働きに影響を及ぼします。生殖能力も同じです。卵子や精子、成熟に必要なエネルギー、胎児をはぐくむ子宮、卵巣もすべて食べ物の影響を受けています。

質の良い卵子や精子を育むためには「質の良い食べ物」を摂ることが重要です。

現代型栄養失調

高脂肪食品や甘いもの、塩分の過剰摂取、インスタントやレトルト食品などの加工食品を食べる機会が増え、逆に食物繊維やビタミン、ミネラルの不足を表します。

以前まではスーパーやコンビニもないですし、住んでいる土地のすぐ近くで採れた食材を余すところなく丸ごと食べていました。ところが、現代ではスーパーに行けば世界中のあらゆる食材やハウス栽培などで旬からはずれたもの、精製された穀物、添加物を含んだ加工食品などを手軽に食べられるようになっています。生活環境も一変し、交通の便も良くなっていますが、昔の足を使って歩く生活からかけ離れ、体を動かすことが少なくなっています。その結果、食べる量やカロリー摂取は過剰になり、逆にその質は低下しています。具体的には、高脂肪食品や糖分、塩分の過剰摂取、食物繊維の不足、インスタントやレトルト食品を食べる機会が増えたことによるビタミンやミネラルの不足などです。

たしかに食は豊かになったかもしれませんが、必要な栄養は十分に摂れず、それが妊娠力の低下にもつながっています。

食養生に「身土不二(しんどふじ)」、「一物全体(いちぶつぜんたい)」という考え方があります。

  • 身土不二 
    人間の身体(身)は住んでいる風土や環境(土)と密接に関係していて、バラバラではありません(不二)。その土地の自然に適応した旬の作物を食べることで健康に生きられるという考え方です。
  • 一物全体 
    生物は丸ごと全体で絶妙なバランスの上に成り立っているもので、生物を構成しているそれぞれの栄養素も絶妙なバランスをもって分布しています。野菜なら皮ごと丸かじり、部分的な肉よりも魚を丸ごとというように、全体を食べるのが、もっともバランスが取れ、健康に良いという考え方です。

質の良い卵子と精子を育むためには「バランスよく食べる」ことも重要です。