東洋医学の根底には、中国哲学の『天神相応』という考え方が流れています。
つまり人間も自然界の一員で、自然界の法則は人間にもあてはまるということです。
春分の日を迎えると、秋分の日まで、陰から陽の季節へと動き始めます。暑さ寒さも彼岸までと言われるようにこれからは少しずつ気温も暖かくなり過ごしやすくなります。寒い冬の間、内へと秘められたエネルギーが外に向かって発散する時で、春は発生の季節とも言われます。全てのものが芽を吹き出し活動的になるため、私たち人間も外に出て、散歩をしたりのびのびと体を動かしてみましょう。この春の気に逆らって、じっとしていたり沈んだ気持ちでいたりするのは健康的とはいえず、病気の原因にもなります。

春の季節にもっとも影響を受けやすい臓器は、肝臓です。肝臓は、体の血液を貯蔵し、必要に応じて供給します。また血液循環を調節する時、自律神経系の作用によって血管を拡げたり縮めたりして、体内の血液の量を調節しています。しかし、気温の温度差が激しい季節の変わり目などは、血管の拡張、収縮も激しく変動し、自律神経も乱れやすくなります。なるべく、早寝、早起きをし、外で体をのびのびと動かしてたまっているエネルギーを外に発散し、気持ちをゆったり保つよう、心がけましょう。

またストレスによって、最も影響を受けやすいのも肝臓です。からだ全体の気の流れを調整する役割を担っていて、ストレスなどで気の流れが悪くなると、消化器系が不調になり、また体のだるさなどを感じる方もいます。漢方では、肝の働きを助け気の流れをよくし、のびやかな精神活動にする逍遥丸などがよく使用され、またシベリア人参なども好評です。

食材としておすすめなのは、菜の花、ふきのとう、ウドなどの旬の野菜です。これらに含まれるほろ苦さは、余分な熱を取り気持ちを安定させ、新陳代謝が悪くなりたまってしまった老廃物を排出するデトックス効果も期待できます。そして、大地のエネルギーをふんだんに含有している新鮮な旬の春の野菜をたくさん摂り入れてみましょう。

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