人々の想像を絶する大震災は、その後の長引くストレスで私たちの体の健康にも大きく影響を及ぼし始めています。被災された方々が一日も早く復興されますようにと願ってやみません。
科学技術を結集した原発の事故は、今回、その限界を嫌というほど思い知らされました。私たちは自然の中で生かされている事、自然と調和し共に生きる大切さを学んだような気がします。
健康とは自然界と体が調和した状態をいいます。体調を崩し病気になった時、自分のライフスタイルをもう一度見直し悪い習慣を改める時と考えれば、健康を取り戻すチャンスになります。私たちの体はいつも健康を保とうとする自然治癒力で守られており、その手助けとして、回復を早める漢方薬はまさに自然治癒力をよみがえらせる救世主といえるでしょう。
人はストレスが加わるとまず“気”の流れが悪くなります。そこで“気”の流れをよくする誰でもできる簡単な方法をご紹介します。まず呼吸をしっかり整えてみましょう。呼吸、体温、脈拍は自律神経が支配していますが、唯一コントロールできるのが呼吸だからです。
初めはゆっくりと口から息を吐き出し、お腹がぺったんこになるまで体にたまった悪い老廃物がすっかり消えていくのをイメージしながら吐きます。次に鼻からゆっくりと息を吸います。宇宙のよいエネルギーが体の中に入ってくるのをイメージし、吸いきったら息をしばらく止めます。できれば吸う方より吐く方を長くして下さい。繰り返しているとしだいに自律神経が安定し、イライラがとれてくるのに気づきます。
また、ストレスを感じると五臓の中で最も影響を受けるのは肝です。肝は『気』をめぐらせ、発散させる気のコントロールタワーです。また、体の血液を貯蔵し、血管を縮めたり緩めたりして血流量をコントロールしています。ストレスによって肝の機能が乱れると、様々な症状がおこります。
例えばストレスによって胃やお腹、わき腹が痛んだり、お腹がはったり、下痢や便秘になる事があります。胃腸の機能は肝によって調節されており、ストレスは胃腸に影響が現れやすいのです。そんな時は肝と胃腸の働きのバランスを整える『調肝理気』の働きのある『開気丸』があります。
心臓がドキドキしたり、不安になったり思考力が低下したりと心の機能が低下したときは『養心安神』といって心を養い精神を安らかにする漢方薬があります。
食べ物には、小麦、蓮の実、なつめ、百合根などがあり、漢方薬にも構成生薬としてそれらを配合されています。また、香りのよいハーブティーなどもおすすめですのですのでぜひお試し下さい。