私たち人間の体は、宇宙を投影した小宇宙といわれ、自然の摂理の中で生かされています。女性は大人になると、月に一度月経がありますね。赤ちゃんが宿りやすく成長するための部屋の中(子宮)を月に一度の大掃除(月経)できれいに整えているのです。
『周期療法』とは中国で、女性の生理の基礎体温を中国漢方の陰陽理論をあてはめるという画期的な考えかたからスタートしました。ここでいう陰陽説とは、まず太陽を主とし日の当たる所は陽、当たらないところを陰とする考え方から始まります。そこから自然界のものを当てはめて、例えば陽を太陽とすれば陰は月、陽を男とすれば陰は女で、女性は陰、月に属します。
月経から次の月経までの周期はおよそ30日でその中間頃に排卵が起きます。月経から排卵までの期間は、女性の体温はやや低めとなり卵胞が発育します。やがて卵胞膜から卵子が飛び出し排卵し、排卵後は体温が上がり子宮内膜も厚くなり、子宮はあったかくて妊娠しやすいふわふわ状態です。もし妊娠しなければ、不要となった子宮内膜は剥がれ落ち月経となるのです。
女性のからだはこのように低温期や高温期を繰り返し、陰から陽に陽から陰にと体の中で性質がダイナミックに大きく転換しています。
この陰陽の考え方を軸にし、月経周期を月経期、卵胞期、排卵期、黄体期、と四つに分類し、これをそれぞれの個人の体の状態にあわせ、よりきめ細かく月経を調節していくのが周期療法です。
不妊治療の分野でも、中国で今もっとも人気が高いのがこの周期療法を始めとする中西医結合の医療です。次回はもっと具体的にその考え方をご紹介したいと思います。不妊の問題でなかなか原因がわからない時や、西洋医学の治療中の時にはその補助として、また何度試してもうまくいかない場合などに周期療法でしっかりと母体の体づくりをする事で成功している方が増えている事はとても心強く思います。