第2類医薬品
温清飲はこのような処方です
温清飲は漢方薬の中でも苦味の強い処方です。温清飲は「四物湯(しもつとう)」と、「黄連解毒湯(おうれんげどくとう)」という二つの処方が合わさった漢方薬です。
四物湯 | トウキ、ジオウ、シャクヤク、センキュウ |
黄連解毒湯 | サンシシ、オウレン、オウゴン、オウバク |
温清飲の構成の四物湯は体を温めながら血を増やし流れをよくする働きをもっています。黄連解毒湯は体の熱を取り除く(冷やす)処方です。温める働きと冷やす働きという相反する働きを持ち合わせていますが、熱ががある箇所は冷やし、血の量が少ない箇所は温めて増やすというように、適材適所に作用すると考えていただけると良いと思います。
漢方・中医学でいう「熱」という概念は、体の中の炎症や交感神経が高ぶっている状態と考えると良いでしょう。
温清飲の効能・効果
体力中等度で、皮膚はかさかさして色つやが悪く、のぼせるものの次の諸症:
月経不順、月経困難、血の道症、更年期障害、神経症、湿疹・皮膚炎温清飲は皮膚がカサカサして色つやが悪く、のぼせる方の生理不順、更年期障害、湿疹・皮膚炎などを改善します。血液の流れを良くし、炎症を鎮める働きがあります。
効能・効果には「月経不順、月経困難、血の道症、更年期障害、神経症」とありますが、最も使用頻度が高いのは慢性皮膚病です。(使わないわけではありません)
皮膚トラブルが慢性化すると、長期間の炎症により皮膚が萎縮し、黒ずみや乾燥が強くなります。慢性皮膚病など、皮膚の栄養状態が悪い場合は血の質を高めることで皮膚の乾燥を改善し、炎症(熱)のある場合は取り除くという働きがあります。
漢方・中医学では、皮膚の乾燥や血色不良は血の不足や栄養状態が悪いと捉えることがあるので、温清飲はこのような場合に有効です。
用法・用量
1日3回、次の量を食前又は食間に水またはお湯にて服用してください。
成人(15才以上) 1回5錠 7才以上15才未満 1回4錠 5才以上7才未満 1回3錠 5才未満 服用しないこと
錠剤で苦味が抑えられているとはいえ、多少なりとも苦味は感じます。服用錠数が多い処方ですので、飲み込みにくい場合は口の中で噛んで飲んでいただいても構いません。
成分・分量
いくつかメーカーがありますが、JPS製薬のの錠剤タイプの温清飲の成分を記載します。
15錠中 温清飲乾燥エキス2.80gを含有しています。
日局トウキ 2.00g 日局ジオウ 2.00g 日局シャクヤク 1.50g 日局センキュウ 1.50g 日局オウゴン 1.50g 日局サンシシ 1.00g 日局オウレン 0.75g 日局オウバク 0.75g 上記生薬量に相当する
添加物として、無水ケイ酸、ケイ酸Al、CMC-Ca、ステアリン酸Mg、トウモロコシデンプンを含有する。
JPS製薬の温清飲(錠剤)に含まれる生薬は上記のようになります。この製品の特徴としては乳糖が含まれていないので、乳糖不耐症の方でも服用できることかと思います。温清飲は顆粒や煎じ薬など剤型もありますが、この温清飲の場合は国内で流通する温清飲(満量処方)の約半分の生薬量ですので、効果がみられない場合はもう少し生薬の量が多い温清飲に切り替えるという検討も必要になります。
温清飲に含まれるサンシシは長期服用することで腸間膜静脈硬化症を引き起こす可能性が指摘されています。中医学的には冷えがないのに体を冷やす生薬を使うのは禁忌とされます。皮膚の乾燥などがある場合でも、熱(炎症)がない場合は使用を控える必要があります。
JPS製薬の商品の画像は、メーカー規制によりインターネットへの画像掲載不可とのことですので、商品画像の掲載は控えさせていただきます。