髪の悩みって色々ありますね。円形脱毛症、薄毛、白髪、抜け毛、ハリ・コシなどなど・・・ある程度、年齢を重ねれば避けられない部分もありますが。でも気になります。
ボクも父や祖父がその系統。危険性は非常に高い・・・
でも漢方薬のおかげか、まだ大丈夫です。
先日、中国雲南省の雲南中医医院へ研修に行った際の「まとめの会」に参加してきました。今回の中国研修で特に多かったのが、脱毛症。男性、女性問わず様々なタイプの脱毛症の症例を経験することができました。西洋医学の治療でなかなか改善せず、中医医院を訪れ改善したという方もいました。そこで、今後日本にある漢方薬でも中国の漢方治療を実践できないかという話が持ち上がっています。
気になる質問
「一体、脱毛ってどのくらいの期間で改善できるのか?」
1ヶ月で脱毛が止まり、2ヶ月目で発毛、3ヶ月目で徐々に処方を加減していくとのことでした。
ただし、「日本の漢方の場合は生薬の量が少ないため、この2~3倍はかかるだろう」との補足・・・
たしかに、中医医院での処方を見ると、3~5倍くらいの生薬の量ですからね。
「色の黒いものは髪に良い」
髪に良い食材として、黒ごま・ひじき・わかめなどがあります。じつはこれには漢方・中医学の理論が含まれています。
漢方・中医学では「髪は腎の華(はな)・血の余り」とされています。
腎とは「生きるために必要な根本のエネルギーを蓄え、生長・発育・生殖をつかさどる」とされ、老化にもっとも大きく関わっている臓器です。その腎のエネルギーが髪に表れます。また、血が不足すると毛根に十分な栄養を送ることができないため、髪も弱ってきます。
養生法として、「腎」にチカラをつける食べ物は色の黒い食材というものがあります。黒っぽい食材を食べると腎のチカラが高まり、結果、髪の若々しさが保たれるというわけです。そこから「色の黒いものは髪に良い」とされてきたんです。
脱毛のタイプは主に2種類
身体にとっての材料が不足しているタイプ
材料とは「気・血・津液・精」を指します。これらは身体にとって必要なものですから、不足は補ってあげれば良いわけです。何が足りないかは、見た目や体調に現れます。
「熱」や「湿」が過剰なタイプ
いわゆる頭皮に炎症のようなものが起きている状態です。脂っぽい頭皮の方やフケが多い方は「湿」との関連もあります。熱には上昇する性質があるので、身体の一番上にある頭皮は、熱がとくに停滞しやすい場所なんですね。このタイプは下手に補ったりすると、余計に熱がこもり悪化することがあるので注意が必要です。余計な熱や湿を除く方剤を中心に使います。
おおまかに2例をあげましたが、2つのタイプが入り交じって発症している場合もあります。血を補うものはカラダを温めるものが多いため、熱を生むことが多くなります。逆に、熱を除くものには身体に負担をかけ、「気・血・津液・精」を消耗させてしまうものがあったり。ですから「どこの臓腑の何を補い・何を除くか」、これが非常に重要になってくるわけです。
補腎薬に関しては、植物性の生薬よりも動物性の生薬のほうが補う力が強い傾向にあります。日本の漢方薬には動物性生薬を使っている処方は少ないのですが、最近では、中国処方をもとに作られた漢方(中成薬)も市販されています。これらを組み合わせることによって、中医医院の同等の効果を得られるといいます。