こんにちは。宮城県大崎市の漢方相談 カワシマ薬局のらんちゅう大好き店長、川島康正です。
「メーカー変えたら効かなくなってきた・・・」
「違うメーカーの漢方はダメなの?」
このような疑問お持ちのかた、多いのではないでしょうか。
結論から言うと、効き目は変わります。
野菜は作る土壌や気候などのちがいなどにより、産地が変われば味や栄養価も変わってきます。同じように生薬も産地が変われば、味、成分も変わり、その結果効果も違ってきます。煎じ薬の場合、効果を保証するために、処方する際産地を限定することもよくあります。「〇〇産の〜〜」というように。
漢方メーカーによっても抽出・製造方法は異なります。漢方薬は、自然界でつくられたさまざまな生薬が配合され、一つの処方としてなりたっています。そのため、化学合成薬と違い一つの成分で効能が決まるわけではないので、さまざまな物質が相互に影響し合って効能を作り出しています。メーカーによる材料の産地・質でもともとの成分が違いますし、抽出・製造過程の違いでも成分は微妙に変化してきます。
さらに、商品開発する過程で、
「うちは膀胱炎に特化した商品を作りたいからAという生薬を重点におこう。」
「うちは皮膚湿疹に特化させるために、Bという生薬を重点におこう。」
という思いがあり、それそれ日本の薬事法にのっとった同じ効能をくっつけていても、そもそものコンセプトが違うわけです。
理由はさまざまありますが、一つの処方でもたくさんの成分が相互に関係しあっているため、化学的に分析しきれず、漢方の効き目が現代医学理論でうまく引き出せないことがあるのはこのためです。そのため、弁証(体質を見極める漢方・中医学の伝統的診断法)が必要になってきます。
漢方薬に記載されている効能は、漢方・中医学の理論からかけ離れた効能が記載されていることも多々あります。逆に本来の漢方・中医学の効能が記載されていないこともあります。
ボクが漢方・中医学の勉強するときは最初に漢方・中医学的な効能を覚えたんですね。それから実際に処方に書いてある効能を覚えました。すると、
「あ〜、なるほど。現代医学だとこういう効能になるんだ。でもこういう体質の人には合わないよな・・・」
こういう印象持ちました。
漢方は様々なメーカーが製造しています。もちろん全く同じ処方もありますが、同じ名前の処方でも、メーカーが変われば別の処方になることもあるんですね。